保育園の料金の平均はいくらくらいになるのでしょうか?1歳と3歳以上では料金に違いがあるようです。減免制度と補助金、幼保無償化も始まっています。保育園に入園させたいと考えている方はこれらを確認しておきましょう。
仕事復帰を考えるときには、保育園の費用が気になるのと思います。保育園の料金1歳児の平均や減免制度、幼保無償化や保育料以外にかかるお金などを見ていきましょう。
目次
保育園の料金は何で決定してる?

各世帯によって保育料は違います。保育料がどうやって計算されるのか、また実際にどのくらいの費用がかかるか気になりますよね。保育園の料金は何で決定してるのか見ていきましょう。
世帯所得
世帯所得とは、同じ世帯全員の所得の合計額のことです。基本的には夫婦2人分の所得の合算金額になります。シングルマザーやシングルファザーの場合は、1人分の所得金額が世帯所得となります。
世帯所得を元に計算されている住民税の所得割課税額を、各自治体が定めた保育料の階層区分に当てはめることで保育料が決定しています。保育料の切り替え時期は9月です。4月~8月分は前年度分、9月~3月分は当年度分の住民税額により計算されています。
住民税の所得割課税額は、毎年5月から6月頃に勤務先の会社から渡されていると思います。「納税額決定通知書」というもので確認することができます。ただし、実際には「納税額決定通知書」に記載されている金額そのものではなく、配当控除、住宅借入金等特別控除などを加えた金額を元にしているなど、自治体によって計算方法が変わります。
住んでいる自治体
認可保育園の保育料は、住んでいる自治体によって違いがあります。これは、国が定めた上限額に対して各自治体が補助金を出すことで、保護者の費用負担額を減らしているためです。
自治体の財政状況や子育て支援に力を入れているかどうかで補助金額は大きく変わってきます。そのため、どうしても保育料に差が生じてしまいます。
満3歳未満(標準時間)の保育料を比較してみましょう。
・国の上限額 104,000円
・東京都中央区の上限額 64,000円
・大阪市の上限額 70,600円
・名古屋市の上限額 64,000円
このようになっています。
子供の年齢や人数
保育料は子どもの年齢によって金額が決められています。3歳未満の子どもの方が、3歳以上の子どもよりも割高になる自治体が多いです。国が、0歳児は概ね子ども3人に保育士1人〜、1・2歳児は子ども6人に保育士1人〜、3歳児は子ども20人に保育士1人〜といった、保育士の配置の目安を定めているためです。子供が小さいほど保育士の数が必要になるので保育料も高くなるという事ですね。
保育料負担軽減措置というものがあるので、同じ世帯から2人以上の子どもが同時に保育園に入っている場合の保育料は、2人目から割安になります。国の基準では2人目が半額、3人目以降は無料になります。
保育時間
保育時間には、「保育短時間」「保育標準時間」という2つの区分があります。
・保育短時間(最長8時間) … 主にパートタイムの労働を想定
・保育標準時間(最長11時間) … フルタイムの労働を想定
「保育短時間」利用が可能となる保護者の就労時間の下限は、1ヵ月あたり48〜64時間の範囲で各自治体が定めています。どちらに区分されるかで保育料が変わってきます。指定の時間以上利用する場合は、延長保育料がかかります。
保育園の料金は年収で変わる!平均いくら?

年収によって変わる保育料ですが、だいたい平均でいくらくらい料金を払っているのでしょうか?すでに保育園に通園しているママも、ほかのママがいくらくらい払っているのか気になりますよね。みんなの平均を調べてみました。
2015年の厚生労働省の「地域児童福祉事業等調査結果」のデータを見てみましょう。
保育料 | 全世帯での割合 | 子供1人世帯 | 子供2人世帯 |
1万円未満 | 21.9% | 20.7% | 22.2% |
1万円以上2万円未満 | 24.0% | 18.8% | 35.4% |
2万円以上3万円未満 | 31.4% | 31.5% | 34.0% |
3万円以上4万円未満 | 14.1% | 17.6% | 6.3% |
4万円以上5万円未満 | 5.3% | 6.9% | 1.8% |
5万円以上6万円未満 | 2.3% | 3.1% | 0.2% |
6万円以上7万円未満 | 0.7% | 1.0% | 0.1% |
7万円以上 | 0.3% | 0.4% | 0.0% |
調査世帯での 保育料平均 |
21,138円 | 22,970円 | 17,555円 |
上記データによると、児童1人あたりの月額保育料の平均は21,138円になります。居住地や世帯所得、子どもの年齢等によって、保育料に大きく差が出てくるようです。
保育園の料金1歳児の平均は?

保育園の料金1歳児の平均はどれくらいになるのでしょうか?1歳児から保育園に預けたいと考えている方も多いかと思います。1歳児だと3歳児未満の料金になります。保育園の保育料がいくらになるかを確認しておきましょう。
3種類の3歳未満児の保育料の例を見ていきましょう。延長保育等を入れず保育標準時間の場合で、東京都中央区、大阪市、名古屋市を参考にしてみました。
①世帯年収 約600万円、所得割額236,000円となった場合
②世帯年収 約800万円、所得割額365,000円となった場合
③世帯年収 約1000万円、所得割額481,000円となった場合
世帯年収 | 東京都中央区 | 大阪市 | 名古屋市 |
約600万円(所得割額236,000円の場合) | 23,500円 | 50,700円 | 42,700円 |
約800万円(所得割額365,000円の場合) | 37,100円 | 61,700円 | 63,400円 |
約1000万円(所得割額481,000円の場合) | 45,900円 | 65,900円 | 63,900円 |
保育園の料金で認可外の場合は?

保育園を増設してもまだ足りないという待機児童問題がいまだに悩みの種でもあります。保育園の料金で認可外の場合はどうなるのでしょうか?いわゆる無認可保育園の場合は、各保育園ごとに料金が設定されています。各保育園ごとに料金が違うという事です。
無認可保育園の場合は、認可保育園に比べて保育料が高いケースがほとんどです。中には、東京都の認証保育所のように、自治体が独自の基準を設定して認証している保育所もあります。その場合は、各自治体が保育料を補助しているので、他の無認可保育園よりも保育料が安くなります。
また、自治体によっては、認証保育所と認可保育園の差額をある程度補助する制度が用意されている場合もあるようです。
保育園の料金で保育料の減免制度がある?

保育園の費用には「減免制度」というものもあります。市区町村にもよりますが保育料が減免されることがあります。しかし、誰でも減免制度を利用できるわけではありません。以下に当てはまる方は減免制度を利用できます。
・シングルマザー・シングルファーザーの家庭
・収入が激減し、保育料の支払いが困難な場合
・災害にあった場合
・生活保護の対象になった場合
年収360万円未満のシングル家庭が主な対象になります。
保育園の料金で幼保無償化とは?

2019年10月より、幼児教育・保育の無償化がスタートしました。幼稚園や保育所が無償化される制度です。幼保無償化では児童手当のように世帯年収による補助金額の違いはありません。
対象者や給付対象は限られていて給付額の上限もあります。誰もが無償化の対象になる訳ではなく、幼稚園や保育園にかかる全てのお金が無償化される訳ではありません。
保育園の料金で入園料や保育料以外にかかるお金は?

保育園の料金で、入園料や保育料以外にかかるお金もあります。
・延長保育料(お預かり保育)
・食費・おやつ代
・体操服、スモックなどの衣服代
・上履き・靴
・通園リュック・鞄
・絵本代
・お絵描き帳などの消耗品
・PTA・親の会などの会費
このほかにも保育園によって違ってくると思いますが、遠足などの交通費や入場料などもあります。だいたい1万~3万円ほどかかるかもしれません。
まとめ
保育料を改めて計算してみたら、考えていた金額よりも高いと感じる方は多いようです。ママの収入から保育料を差し引くと、手元に残るのはほんの少ししかない、トントンになってしまう…なんてことがあるかもしれません。
保育料やご自身の収入はもちろん、理想的なワークライフバランスを考えていきたいですね。お仕事を探されている方には、ママが働きやすいと人気のお仕事がたくさんあります。子育てを優先して、無理のない範囲で働きたいという方にはピッタリだと思います。